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プロダクトロードマップのテンプレートと記入例

公開 2026-10-29更新 2026-10-29読了 約5分執筆:アーコレ運営|株式会社Covvy CEO 古沢
プロダクトロードマップのテンプレートと記入例
目次

プロダクトロードマップのテンプレートには、施策名だけでなく、誰の何を良くしたいか、今どの段階か、何が分かれば見直すかを記入します。予定をきれいに並べるより、読み手が判断の背景を確かめられることを目指します。

この記事では、社内の関係者が共有するための空欄テンプレートと、記入済みの架空例を用意します。形式の選び方から知りたい場合は、プロダクトロードマップの作り方を参照してください。

この記事の要点
  • 読む人と、共有したい判断を先に決めます。
  • 目的・対象者・状態・根拠を、一つの施策につなげます。
  • 予定と確定事項を分け、見直す条件を残します。

テンプレートを埋める前に、読み手を決める

同じロードマップでも、経営側は事業目標とのつながりを、開発側は依存する作業を、営業・CSは顧客へ説明できる範囲を知りたいかもしれません。誰に何を判断してもらう表なのかを、表の上に一文で書きます。

たとえば「企画・開発・CSが、月末集計の改善で次に確かめることを共有するための表」とします。この段階では社内向けです。顧客名や内部の見積もりを入れた表を、そのまま外部公開するものではありません。

GOV.UKのロードマップ作成ガイドは、目指す価値や優先順位を伝え、変化に合わせて調整できる、分かりやすいロードマップを勧めています。以下はその観点を参考にした本記事の記入様式で、特定の開発手法に必須の様式ではありません。

コピーして使える空欄テンプレート

最初に表全体の前提を置きます。更新する人と正本の場所を決めておくと、古い資料だけが残るのを防ぎやすくなります。

表全体の設定記入欄
この表を読む人・用途[誰が、何を共有・判断するために読むか]
目指す変化[どの利用者の、どの作業をどうしたいか]
今回扱う範囲[対象の業務/対象外の業務]
作成・更新日[日付]
更新担当と確認の機会[担当/定例や判断時点]
正本の場所[最新の表を確認できる場所]

次の表を、改善テーマごとに複製します。最初は一つのテーマで構いません。

テーマごとの項目記入欄
ID・テーマ名[関連記録と対応するID/目指す変化が分かる名称]
対象者と困っている場面[誰が、何をするときに困るか]
目指す結果[作業がどう変わればよいか]
変化の確かめ方[どの作業や記録で、目指す変化を確かめるか]
根拠と未確認点[記録の参照/まだ確かめていないこと]
現在の状態[調査中/検証中/実装中など、自社で定義した状態]
次に行うこと[調査・試作・実装などの具体的な一歩]
取り組む順序と理由[先行・並行・後続の関係と、その判断理由]
前提・依存関係[先に終える作業/必要な判断]
時期・確かさ[見込み/確定した期限/まだ決めない範囲]
見直す条件・確認担当[どの情報で判断を見直すか/誰が確認するか]

欄が埋まらないときは、確認できていない内容を想像で補いません。「対象者は確認済み、発生する頻度は未確認」のように書くと、次の調査を選べます。

記入例:月末集計の手作業を減らす

以下は、架空の申請管理ツールを想定した社内向けの例です。根拠ID、担当の役割、機能、期間は説明用で、アーコレ!や実在企業の計画・実績を示すものではありません。

この表の用途は「企画・開発・CSが、月末集計の改善で次に進める作業を共有すること」。目指す変化は「担当者が同じ条件を入力し直す手間と、結果を確認し直す手間を減らすこと」とします。

ID・テーマ目指す結果根拠と未確認点状態・次の一歩
R1:集計条件を繰り返し使えるようにする毎月同じ条件を一から入力しなくて済む面談メモI1に再入力の説明あり。権限ごとに保存できる条件は未確認設計検討中。開発担当が権限の扱いと工数を確認
R2:集計結果の確認箇所を見つけやすくする確認すべき箇所を探せる問い合わせQ2に確認箇所の相談あり。表示名と手順のどちらが原因かは未確認調査中。CSが直近の作業の流れを確認
R3:集計結果を外部へ渡しやすくする渡し先が使える形式で結果を共有できる要望F3あり。必要な列と利用するシステムは未確認候補として保管。企画担当が用途を確かめる

この例では、次の順序と確かめ方も添えます。順序は機能の公開順を約束するものではなく、今の段階で進める調査や設計の関係です。

テーマ取り組む順序と理由変化の確かめ方
R1設計を先行。繰り返し入力の場面が記録されており、権限の確認から進められるため試作で、前回の条件を再利用して集計できるかを確認
R2R1と並行して調査。原因が未確定で、実装判断の前に場面を知る必要があるため原因を整理した後、確認箇所を見つけられるかを試す
R3用途と必要な形式を確認してから順序を再判断。現時点では実装を並べない渡し先で必要な作業ができるかを確認する条件から決める

根拠の欄にIDを置くのは、詳しい記録に戻れるようにするためです。「多くの顧客が希望」のように広く書くより、どの記録から考えたテーマなのかを残します。

ロードマップの各テーマに、目指す結果、現在の状態、次に確認することを対応させた記入例。

時期は、決まったことと見込みを分ける

上の表に時期を加えるなら、別の列や補足表で前提を示します。「来月」とだけ書くと、調査の予定なのか公開予定なのか分かりません。

テーマ時期の書き方の例次に見直す条件
R1次の計画期間に詳細設計を行う見込み。公開日は未決定権限の確認と見積もりがそろった時点
R2次回の調査で確認する。実装時期は未決定表示と手順のどちらを試すか判断できた時点
R3対象期間を置かず、候補として保管必要な形式と利用場面を確認できた時点

日付を書いてはいけないわけではありません。契約上の期限などがある場合は、その条件を社内で確認し、単なる見込みと区別します。遠い将来の項目まで同じ精度の公開日を置く必要はありません。

項目を増やす前に、状態の意味をそろえる

「検討中」「進行中」といった状態は、チーム内で意味をそろえます。たとえば「調査中」は判断材料を集める段階、「実装中」は実装作業を進めると決めた段階、と区別できます。これは本記事の例であり、すべての会社に同じ状態名が必要なわけではありません。

状態だけでなく、次の判断も添えます。「調査中」のまま止まっているなら、調査の担当や確認時点が決まっているかを見直してください。候補を比べる必要がある場合は、機能の優先順位の決め方に戻れます。

外部向けに見せる場合は、社内の表から公開用を別に作り、顧客情報、内部の判断、約束に見える表現を確認します。公開ロードマップの運用方法では、見せる範囲と更新の考え方を扱っています。

まずは一つのテーマを埋め、見直して使う

最初の一枚では、テーマを多く並べるより、一つについて「目的・根拠・次の行動・見直す条件」を書いてみましょう。別の担当者に読んでもらい、次に誰が何をするか分かるかを確認します。

機能を提供した後は、項目を完了に変えるだけで終えず、目指した変化を確かめます。機能改善の効果を確かめる方法も参考に、結果を次のロードマップ更新へ戻します。テンプレートは一度完成させる書類ではなく、判断の変化を残すための表として使いましょう。

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