顧客インタビューの依頼メール|日程確定・辞退への返信までの文例
顧客インタビューの依頼メールでは、調査の目的、お願いすること、所要時間と参加方法を具体的に伝えます。相手が参加を判断できるように、任意参加であることと、記録の扱いも説明します。
「お話を聞かせてください」だけでは、準備が必要なのか、営業の案内なのか、どれくらい時間がかかるのかが分かりません。今回は、依頼を送ってから当日を迎えるまでの連絡に絞り、書き換えて使える文例を紹介します。
- 依頼前に、相手にお願いする内容と運用上の条件を決める。
- 参加の承諾と、録音・録画などへの同意は分けて確認する。
- 辞退や再調整も選べる文面にし、連絡の履歴を残す。
送る前に対象と依頼条件を確かめる
まず「誰に、どんな経験を聞きたいか」を一文で書きます。「よく利用しているお客さま」より、「最近、自分で初回設定を行った担当者」のほうが、依頼したい経験が伝わります。対象がまだ決まっていない場合は、顧客ニーズ調査の対象者の選び方から整理できます。
次の表は、送信前に埋める本記事独自の確認表です。空欄がある場合は、相手に推測してもらうのではなく、社内で確認してから依頼します。
| 確認すること | 記入欄 |
|---|---|
| 聞きたい経験 | [対象の作業と、経験した時期] |
| 調査の目的 | [何を理解し、何に使うか] |
| お願いすること | [会話のみ/見せられる範囲での操作など] |
| 所要時間・方法 | [予定時間、オンラインなどの方法] |
| 日程の選び方 | [候補日、返信方法、別日程の相談方法] |
| 記録と利用 | [メモ・録音等の方法、用途、共有範囲、保存期間] |
| 謝礼と条件 | [有無、内容、受け取り方、対象条件] |
| 問い合わせ先 | [担当者と連絡先] |
保存期間や共有先は、実際の運用に合う内容を書きます。安心してもらうために「すぐに削除します」「社外には出ません」と未確認の約束を加えないでください。外部の文字起こしサービスなどを使う場合も、その扱いを確認します。
初回依頼の文例
以下は、架空の予約管理サービスが初回設定について聞く場面です。実在する顧客への依頼や、アーコレ!の調査実績ではありません。角括弧内を実際の条件に置き換え、不要な項目は削除してください。
目的と負担を伝える
件名:[サービス名]初回設定についてのインタビューのお願い
[宛名]様
[会社名・担当者名]です。初回設定の案内を見直すため、設定時にどのように進めたかを伺いたく、ご連絡しました。
最近、ご自身で初回設定を行った方に、進めた順序や判断に使った情報をお聞きします。設定がうまくいかなかったことを前提にした質問ではありません。
・予定時間:[所要時間]
・実施方法:[オンライン会議など]
・お願いすること:[会話/操作を見せてもらう場合の範囲]
・事前準備:[必要な準備。不要の場合はその旨]
・謝礼:[確認済みの条件]ご参加は任意です。答えにくい質問は飛ばせますし、途中で中止することもできます。ご都合が合わない場合は、遠慮なくお知らせください。
記録は[方法]で行い、[用途・共有範囲・保存期間]として扱います。詳しい説明は[説明資料]をご確認ください。録音・録画をお願いする場合は、参加のご意向とは別に確認します。
ご協力いただける場合は、[候補日時]からご都合をお知らせいただけますか。別の日程をご希望の場合や、ご不明点がある場合は[連絡先]までご相談ください。
[署名]
質問票をすべて送る必要はありませんが、話す内容の範囲は伝えます。画面共有をお願いするなら、顧客名や機密情報を隠せる準備も案内しましょう。当日の問いは顧客インタビューの質問票テンプレートで具体化できます。
任意参加と記録の扱いを説明する
GOV.UKの調査同意ガイドは、目的・記録・利用先などを事前に説明し、参加者が理解して同意できるようにする考え方を示しています。
日程の返信が来ても、それだけで録音への同意を得たとは扱いません。参加、録音、画面収録など、それぞれ何をお願いするかを説明し、本人の意思を確認します。録音に同意しない場合の進め方も、担当者間で決めておきます。
本文の文例は連絡を組み立てるための提案であり、法的な同意書の完成版ではありません。実際の説明文や記録の運用は、社内の情報管理・法務等の担当者にも確認してください。
日程が決まった後の確認メール
確定メールでは、決まった条件を見つけやすくまとめます。時間帯が異なる相手にはタイムゾーンも記載し、会議URLは正しい相手だけに送ります。
件名:[サービス名]インタビュー日時のご確認
[宛名]様
ご協力ありがとうございます。以下の日程でお願いします。
・日時:[日付、開始・終了時刻、タイムゾーン]
・参加方法:[会議URL/場所]
・当日の担当:[氏名・役割]
・お話しいただきたい内容:[今回の範囲]
・事前準備:[必要なもの]記録の扱いは[説明資料]のとおりです。録音等について未確認の項目は、開始前に改めて確認します。
日程変更や参加が難しくなった場合は、[連絡先]へご連絡ください。
[署名]
当日は説明を省略せず、参加者が疑問を聞ける時間を取ります。説明内容が変わったときは、以前の同意をそのまま新しい条件に当てはめないようにします。
辞退・再調整に返す文例
辞退の返信には、理由を詳しく聞き出したり、別の担当者の紹介を当然のように求めたりせず、了承を伝えます。
ご連絡ありがとうございます。今回はご辞退とのこと、承知しました。お返事いただきありがとうございました。
再調整では、相手の希望を受け取り、決定前の候補と確定した予定を混同しないようにします。
日程変更のご連絡ありがとうございます。[新しい候補日時]はいかがでしょうか。難しい場合は、ご都合のよい時間帯をお知らせください。新しい日時が決まりましたら、変更後の予定を改めてお送りします。
日程を変更したら、以前の会議招待を取り消すか更新し、どちらが最新かを明示します。
返信がない状態は、承諾でも辞退でもありません。必要な再連絡の方針を事前に決め、回答を強いるような繰り返しの依頼は避けます。

同意と連絡の履歴を残す
調査担当者だけのメールボックスに条件が残っていると、当日の進行役が把握できません。参加者を識別する管理番号、連絡状況、確定日時、提示した説明の版、確認した同意の範囲を、アクセスを限定した場所に残します。
氏名や録音データを、閲覧者の多い要望一覧へそのままコピーする必要はありません。調査記録と、改善に使う要点を分けて管理します。
まずは初回依頼の文例を一通だけ、自社の条件で埋めてみてください。別の担当者が読んで「何を頼まれ、どう断れるか」が分かれば、送信前の確認がしやすくなります。聞き取った声を改善へつなげる全体像は、機能要望管理の基本で確認できます。
参考資料
- GOV.UK:Getting informed consent for user research:参加者への事前説明と同意の考え方を参照。英国政府向けの法的要件を日本企業へそのまま適用するものではありません。文例と確認表は本記事独自の作成例です。