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カスタマージャーニーとは?顧客の行動を流れで捉える

公開 2026-10-30更新 2026-10-30読了 約5分執筆:アーコレ運営|株式会社Covvy CEO 古沢
カスタマージャーニーとは?顧客の行動を流れで捉える
目次

カスタマージャーニーは、顧客が目的を果たすまでの体験の流れです。その流れに行動や接点、困りごとを並べると、一つの画面だけでは見えない問題を考えられます。

たとえば、予約画面の入力が簡単でも、予約前に利用条件を見つけられなかったり、当日の入室方法が分からなかったりすれば、目的は果たしにくいままです。画面の前後までたどることが、カスタマージャーニーを考える入口になります。

この記事では、一人の利用者が一つの目的に向かう体験を扱います。認知から購入までのマーケティング全体を、最初から一枚にまとめる必要はありません。

この記事の要点
  • 画面の操作だけでなく、その前後の行動を見ます。
  • 発言や観察の根拠と、こちらの推測を分けます。
  • 最初は、誰のどの目的を、どこからどこまで描くかを決めます。

一つの操作ではなく、前後の体験を見る

カスタマージャーニーを図や表にしたものを、カスタマージャーニーマップと呼びます。「申込画面を開く」「入力する」だけでなく、その前に何を調べ、後で何を確かめるのかも並べます。

そのときに利用者が触れるものが、接点です。Webページやアプリだけでなく、案内メール、電話、紙の資料、対面のやり取りも接点になります。

英国政府の経験マップの作り方は、利用者の行動や考え、気持ちを時間の流れで可視化する方法を紹介しています。この記事では、その整理の考え方を参考にします。経験マップとカスタマージャーニーマップの用語が、すべての現場で同じ範囲を指すという意味ではありません。

認知から購入までだけに限定しない

「サービスを知る→比較する→契約する」という流れも、検討する対象の一つです。ただ、既存サービスを改善したいなら、「予約の必要が生じる→予約する→当日使う」のように、利用中の目的へ絞ることもできます。

範囲が広すぎると、各場面で何が起きているのかを確かめにくくなります。反対に画面内だけへ狭めると、必要な情報を探す手間や、別の担当者に確認する作業を見落とすかもしれません。困りごとを説明するのに必要な前後を含めて考えます。

登録後の使い始めに範囲を絞りたい場合は、初回利用のつまずきを見つける方法が次の作業につながります。

架空の会議室予約を、一人の視点でたどる

以下は、会議室を予約するサービスを想定した架空の例です。実際の利用者の記録や、アーコレ!の機能を示すものではありません。

来客との打ち合わせに使う会議室を探している人がいるとします。この人の目的は、予約操作を終えることだけではなく、予定した日時に来客と会議室を使うことです。

段階本人の行動接点この例で確認したいこと
利用条件を確かめる来客も使えるか調べる利用案内、問い合わせ窓口条件の記載を見つけられるか
予約する空き日時を選び、申し込む予約画面、確認メール予約が成立したことを確かめられるか
当日利用する来客を案内し、入室する当日の案内、入口の表示入室に必要な手順が分かるか
架空の会議室予約を条件確認、予約、当日利用の3段階に分け、行動、接点、未確認の問いを並べた図
画面の前後も含め、行動と確認したいことを並べます。

この表は、調査前に考えるための仮の整理です。「利用者が実際に困っていたこと」の一覧ではありません。実際の記録を得たら、行動や困りごとの根拠を加え、想定と違ったところを直します。

たとえば、「予約後に同僚へ入室方法を聞いていた」という記録が見つかったとします。ここで分かるのは、別の人へ確認したという行動です。案内がなかったのか、見つけられなかったのか、読んでも分からなかったのかは、さらに確認することになります。

このように前後を並べると、予約画面の改善だけでよいのか、予約後の案内も見直すべきかを話し合えます。ただし、図に疑問点が載ったことと、改善の優先順位が決まったことは別です。

行動と気持ちは、根拠を分けて置く

マップには「不安」「安心」といった気持ちを載せることもあります。ただし、操作に時間がかかったから不安だった、と決めつけることはできません。別の作業をしていた可能性もあります。

記録を扱うときは、次の三つを分けると確かめやすくなります。

種類書き方の例
観察した行動予約後、同僚に入室方法を聞いた
本人の発言本人が話した言葉を、記録の範囲で残す
こちらの解釈入室の案内を見つけにくかった可能性。未確認

分からない気持ちを想像で埋めない

気持ちの変化を上下の線で表さなくても、マップは作れます。根拠がなければ「未確認」と書き、次に聞きたいことを添えておけば十分です。

また、来客を案内する人と、社内の会議だけで使う人とでは、通る場面が違うかもしれません。違いが大きい場合は、一つの標準ルートに押し込まず、別の流れとして残します。どちらのルートが多いかを調べていないなら、割合も書かないようにしましょう。

利用者本人の体験を集める方法は、ユーザーインタビューの進め方で確認できます。マップの空欄を埋めるために誘導するのではなく、実際にどのように進めたかをたどります。

最初は一つの目的と範囲を決める

まず、「誰が、何を終えるまでの流れか」を一文で書いてみてください。続いて、開始と終了を置きます。会議室の例なら、「来客との打ち合わせに使う場所を探し始めてから、当日入室するまで」です。

そのうえで、手元の記録から分かる出来事を並べます。以下は、本記事で提案する作業用のひな形です。段階は、実際の流れに合わせて増減してください。

段階本人の行動接点発言・観察の根拠未確認
[場面名][したこと][画面・メール等][記録・確認日][次に聞くこと]
[場面名][したこと][画面・メール等][記録・確認日][次に聞くこと]

できた表は、調査に関わった人や、利用者を支援する担当者と読み合わせます。「この順番は記録で確認できるか」「途中に省いた行動はないか」を確かめ、未確認点を残します。

現状の流れと、こう変えたいという案は分けて保存してください。理想の手順に描き直してしまうと、何が実際に起きているのか分からなくなります。

まとめ

カスタマージャーニーを考えるときは、一つの画面ではなく、利用者が目的を果たすまでの流れを見ます。行動、接点、困りごとの根拠を並べることで、どこをさらに調べるかを話せます。

最初の一歩は、対象となる人と目的、開始と終了を決めることです。調査の設計は顧客ニーズ調査の基本、見つかった声を継続して扱う方法は機能要望管理の基本へ進めます。

参考資料

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