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顧客の業務フローを整理する方法|担当者間の受け渡しを図にする

公開 2026-10-30更新 2026-10-30読了 約6分執筆:アーコレ運営|株式会社Covvy CEO 古沢
顧客の業務フローを整理する方法|担当者間の受け渡しを図にする
目次

顧客の業務フローを整理するときは、作業の順序に加えて、誰が何を受け取り、次の人へ何を渡すかを並べます。通常の流れだけでなく、差し戻しや待ちも描くと、どこを追加で確認すべきかが見えてきます。

「承認を速くしてほしい」と聞いても、ボタンの操作が遅いのか、必要な書類がそろわないのか、次の担当者に届いていないのかは分かりません。一つの画面の中だけで考えず、その前後の仕事を図にしてみましょう。

この記事では、担当者ごとの区画を使い、作業の受け渡しを共有する方法を紹介します。厳密な記法を覚えることより、関係者が現状を確認できる図を作ることを優先します。記号や線の意味は図のそばに短く書き、同じ意味で使います。

この記事の要点
  • 開始と終了を決め、一つの業務に範囲を絞る。
  • 作業の担当、受け取る情報、渡す情報を一緒に書く。
  • 現状と改善案、確認済みと未確認を分ける。

開始と終了を一つの業務で決める

最初に「何のために、どの業務を確認するか」を決めます。「経理業務全体」では範囲が広いため、例えば「申請者が経費を申請してから、経理が処理できる状態になるまで」と区切ります。

以下は架空の経費申請を題材にした例です。担当や手順は説明用であり、実在する顧客の業務やアーコレ!の機能ではありません。

図にする前の設定架空の記入例
確認したいこと書類不足の差し戻しが、どこで誰に伝わるか
対象の業務経費の申請と確認
開始申請者が申請内容と領収書を提出する
終了経理が処理に必要な情報を確認できる
今回含めない範囲振込処理、会計上の判断の詳細
情報の根拠担当者の説明、閲覧を許可された手順書など

範囲外に置いた仕事も、完全に存在しないものとして扱うわけではありません。次の工程へ何を渡すかだけは端に書き、必要になれば別の図で確認します。

役割ごとの区画を用意する

紙や図表ツールに、申請者・承認者・経理の区画を作ります。この区画は「レーン」とも呼ばれ、作業を置いた場所によって担当が分かるようにします。横向きでも縦向きでも構いません。

Microsoftの部門連係フローチャートの説明では、業務の手順と、それを担当する部門や役割との関係をレーンで表します。本記事ではその考え方を使い、顧客との確認用に簡単な図へ落とし込みます。Visioなど特定のツールを使う必要はありません。

役割は個人名だけでなく、「申請する人」「内容を承認する人」のように書きます。一人が複数の役割を担う場合もありますし、同じ役割を複数人で分担する場合もあります。顧客とユーザーの違いと同様に、誰が契約したかと、実際にどの仕事をするかは分けて確認します。

顧客の気持ちや接点を時間順に捉える図と違い、ここでは作業の担当と受け渡しが中心です。似た図でも、何を確かめるために作るのかを決めて使います。

作業と受け渡す情報をつなぐ

まず、普段どおりに進む流れを並べます。作業名は「確認」だけでなく、「領収書と金額を確認する」のように、対象が分かる言葉にします。

架空の例なら、次のようにつながります。

  1. 申請者が、申請内容と領収書を提出する。
  2. 承認者が、内容を確認して承認結果を渡す。
  3. 経理が、承認済みの申請と添付資料を確認する。

この三つを矢印で結ぶだけでなく、矢印のそばに「申請内容+領収書」「承認結果」のように、渡す情報を書きます。「担当が変わった」のに、何が渡されたか分からない箇所を探せます。

下の表は、図を描く前に使える本記事独自の作業表です。角括弧を自分の業務の記録へ置き換えてください。

項目記入欄
作業[何を、どうするか]
担当する役割[この作業を行う人]
受け取るもの[情報、書類、承認など]
作業後に渡すもの[次の担当が必要とするもの]
次の担当・渡し方[誰に、どの方法で渡すか]
例外・待ち[進められない条件、戻す先]
根拠と未確認点[確認した記録、まだ聞けていないこと]

サービス外の作業も含める

アプリの中で完結しない作業も残します。紙を確認する、表計算で金額をまとめる、チャットで担当者を呼ぶ、といった手順が次の操作の前提かもしれません。

提供側が見たい画面だけに範囲を狭めると、顧客が何を待っているかを見落とします。一方、すべての情報を集める必要もありません。今回の受け渡しを理解するために必要な範囲で、許可された資料や説明を使います。

差し戻しと待ちを描く

経理が添付資料の不足に気づいたとき、申請者へ直接返すのか、承認者を経由するのかを確認します。この違いを推測で埋めると、後の改善案もずれてしまいます。

差し戻しは、戻る相手と理由を矢印に書きます。待ちがあるなら「承認結果を待つ」のように何を待つかを書きます。時間を測っていないのに「平均三日」などの数字を付けないでください。

未確認の矢印は点線にして「返却先は未確認」と添えるなど、図の中で区別できます。色だけに頼らず、文字や線の種類も使うと読み合わせやすくなります。

架空の経費申請で申請者、承認者、経理の作業と渡す情報、確認事項を並べた表。返却先や待ち時間を推測で埋めず確認する
担当者の作業と受け渡す情報を並べ、未確認点を残します。

関係者と現状図を読み合わせる

図を作った人だけで正しいと判断せず、各役割の担当者と、最近の具体的な一件をたどります。図に確認日と対象の業務条件を添えると、後から手順が変わった際にも比較できます。「いつもこの流れですか」だけより、前回何を受け取り、何を渡したかを確認すると、抜けていた手順を見つけやすくなります。

確認するときは、次の問いを使えます。

  • この作業を始めるには、何がそろっている必要がありますか。
  • 次の担当者へ渡すとき、完了をどのように知らせますか。
  • 情報が足りない場合、誰に何を返しますか。
  • 担当者が不在の場合も、同じ流れですか。
  • 手順書と実際の進め方が違うところはありますか。

担当者同士の説明が食い違ったら、どちらかをその場で正解にしないようにします。対象の案件や時期、例外条件が違うかもしれません。発言者の役割と場面を残し、追加で確認する点にします。

未確認点を改善候補へ渡す

現状図に、理想の流れを混ぜないようにします。「承認後に自動通知したい」は改善案であり、現在すでに行われている仕事ではありません。現状図はそのまま残し、改善案を別の図や欄に置いて比べます。

現状図から気づいたことまだ決めないこと次に確かめること
差し戻し先が担当者によって違う返却先を一つに固定する案件の条件で分けているのか
次の担当者が提出に気づかない場合がある通知機能を追加する今の連絡方法と、見落とす場面
同じ情報を別の表へ転記している転記をすべて自動化する転記先で追加している判断や加工

図の中で手順が多く見えても、その作業が不要とは限りません。確認や責任分担のために必要な工程かもしれないため、理由を聞いてから改善候補にします。背景を開発へ伝えるときは、曖昧な機能要望を具体化する方法へつなげられます。

まずは一つの業務だけを描き、関係者が確認できる状態にしてみてください。見つかった未確認点や改善候補は、根拠となる場面と一緒に要望の記録へ残します。継続して扱う方法は機能要望管理の基本で確認できます。図をきれいに完成させることより、次に誰へ何を聞くかが分かることを目指しましょう。

参考資料

  • Microsoft:Create a cross-functional flowchart:役割ごとのレーンと業務手順の関係を参照。表と架空例は本記事独自の整理であり、BPMNなどの厳密な図式に準拠するものではありません。

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